2022/01/13
歯磨きにまつわるエトセトラ
歯を削ったためにエナメル質にヒビが入り、やがて割れてしまう。そして、そのダメージは歯の神経にまで及び、やがて神経を抜かなくてはいけなくなる。
神経を抜くことはつまり、「歯が死ぬ」ということです。死んでしまったら、いくら自然治癒力を上げたとしても、もう二度と生き返ることはありません。取り返しのつかないことになるのです。
歯の神経は、歯の真ん中を通っており、歯に必要な水分や栄養を選ぶ役割を果たしています。その神経を抜いてしまったらどうなるでしょうか?歯に水分や栄養が行き渡らなくなります。人間もそうですが、水分や栄養が供給されなければ、当然生きてはいられません。
歯の神経を抜くリスク
① 正常な神経がある歯には水分や栄養が歯全体に行き渡っている
↓
② 神経を抜くと、水分や栄養が届かなくなる
↓
③ 時の経過とともに歯全体がヒビだらけとなり、やがてその歯は死んでしまう
このように、まさに死んでしまうのです。死んでしまった歯は、やがてポキンと折れてしまいます。こうなると、もう抜くしかありません。さらに、それだけではありません。歯の神経を抜くと、歯周病のリスクが一気にはねあがります。どれだけ歯の健康に気を遣っている患者さんでも、過去に歯の神経を抜いた歯はすべて歯周病になっており、歯周病から逃れられないのです。
次に歯周病についてです。歯周病は、細菌による歯茎の炎症と一般的にとらえられています。成人の八割がかかっていると言われるポピュラーな疾患です。ひどくなると、歯茎の土台となる歯槽骨が溶け、歯がグラグラするようになります。ここまで進行した場合、巷の歯科医院では抜歯を行います。次のような症状が歯周病のサインとされています。あなたはいくつあてはまりますか?
① 歯磨きの時に出血する
② 口臭がする
③ 歯肉がむずがゆい、痛い
④ 歯肉が赤く腫れている
⑤ 朝起きた時、口の中がネバネバする
⑥ 固いものが食べにくい
⑦ 歯が長くなったような気がする
⑧ 歯の隙間に食べ物が挟まる
歯周病は、歯磨きやデンタルフロスで歯垢を掃除することで防ぐことができると言われてきました。それは本当でしょうか。きちんと歯磨きをしているのに、なぜか歯周病になってしまうと訴える患者さんも大多数です。つまり歯磨きでは歯周病を根本的に防ぐことはできないのです。では、歯周病を防ぐためにはどうしたらよいのか。それは、「炭水化物をとらないこと」です。炭水化物が多く含まれる食べ物は、以下のようなものです。
・ご飯・パン・麺類(うどん、ラーメン、パスタ)・さつまいも・とうもろこし・砂糖
歯周病が気になる方は、とくにこれらを控えるようにしてください。いわゆる「糖質制限」は、ダイエットや糖尿病に効果があるだけではなく、歯周病にも効果があるのです。食後30分経ってから、爪楊枝で歯の表面または歯と歯の間を掃除してみてください。もし汚れがつくようでしたら、炭水化物の食べすぎです。ぜひ、参考にしてみてください。
『100年歯を失わない生き方』参照